2018年6月22日

 夏至 Summer Solstice

20時〜22時。ロウソクのみで過ごす。
できること。おしゃべり、体操、モノマネ、影遊び、などなど。
夏至。
1年で、夜が一番、短い、1日。

この日に、20時から22時までの2時間だけ、電気を消して過ごそう、
という試みがある。
世界中で、キャンドルを使った、イベントなどがある。
地球温暖化やエネルギー問題を考えるための、運動だ。

わが家も、思いついて、電気を消してみることにした。
それに合わせて、急いで、お風呂に入り、歯磨きもした。

電気を消して、数分後に、
「たいくつ」とナノカが言い出す。
本が読めないので、落ち着かない様子だ。

「たまには、ゆっくり、おしゃべりしよう」と声をかけると、
気を取り直して、しゃべり出した。
ナノカの物真似というのは、動物とか、パントマイムが中心だったけど、
けっこう、上手だったし、「正確に言うと、、、」で始まる注釈がおもしろかった。

パパは、暗闇の中で食事を取らなくてはいけなくて、
「おいしいのか、まずいのか、よくわからなかった」らしい。

22時になったので、電気をつけて、片付けと、明日の準備をしたが
それまで、暗闇にいたからか、すぐに、眠くなった。

電気の明かりがないと、本も読めないし、片付けも出来ないし、不便だ。
でも、明かり便利さに甘んじて、
人は、夜の時間を、どんどん、侵食してきた。
パソコンの普及で、さらに、
どこでも、いつでも、いつまでも、仕事ができてしまうので、
結局、遅くまで、作業をして、漫然と時間を過ごして、昼夜がひっくり返る。
たった2時間の暗闇だったけど、その不健康さまで、感じた気がした。

ちょうど、修道院の生活について書かれた本を、読んでいたので、
暗闇は、沈黙と似ているな、と思った。
制限の中で、人は、自分の内側に問いかける時を持つ。

つまり、いつも、煌々と明るく、
ザワザワとにぎやかで、絶え間なく情報が押し寄せてくると、
自分の心を整理する時間がない。
心が疲れていく。

年にたった一度で、何が変わる、という意見もあると思うが、
年に一度だけでも、感じてみるのは、価値があると思う。

ちなみに、私は、昔、十五夜お月様をナノカと見よう
毛布にくるまって、電気を消して、外を眺めていたことを思い出し、
ナノカは、一緒に作った、和紙のランタンのことを思い出したと言っていた。
華やかな旅の喜びも思い出ならば、
闇や静けさも、また、記憶や思い出を引き起こす。

安上がりで、たのしい、非日常でした。

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