2017年10月29日

毎日新聞「絵本作家がいく かんころの島紀行」Mainichi

10月29日付 毎日新聞
イラスト
かんころの連載が始まりました。
今年の2月に、島の現状を知って、8ヶ月あまり。
ようやく、第一歩です。
第一回は、島への取材なしで、佐世保市内のかんころ屋さんで、
製造過程を見学させてもらった様子と、島への取材への導入が書かれています。

文字数の関係で、まだまだ、突っ込んだ内容に踏み込めてないので、
これから、取材を通して、多くの人に出会ったり、
一緒に作業したりしながら、
島の生の声を拾っていきたいと思っています。

正直、「こうすると、 島が復活して、問題が解決する!」
という答えが、私にも、まったく、わかりません。
現状を伝えることで、人の心が動いて、なにか起こるかも。
そんなことを、淡く期待するしか、できない状態です。

この島は、地方が抱える問題を、
離島であるがゆえに、さらに際立たせていると感じました。

若い人が出ていかざるを得ない。
高齢化が進み、担い手がいなくなれば、文化が消えていく。
経済的には、大きな損失として出てこないから、
大きく取り沙汰されることもない。

たとえば、「かんころ餅」という食文化が消えても、
「ああ、あれ、なくなったのか」
と残念に思う、少数のファンはいたとしても、
かんころ餅が置いてあった棚は、なにか他の食べ物で埋められ、
忘れ去られていくことでしょう。

コンビニの棚が欠品したら、あっという間に
なんらかの商品がとって変わっていく。
こうした状況に、人は、慣れてしまっています。

お金さえ出せば、お取り寄せできていたものが、
いくつかの地方で、文化が消滅して、どうやっても、手に入らない。
そんなことが、あらゆる場所で起こって、
気づいたら、棚には、似たり寄ったりの商品しかない。
そんな日が、来るかもしれないことを、知ってほしいと思いました。

先日の台風で、11月に延期になった取材。
島の段々畑で、芋掘りをして、ミサに参加して、
お年寄りの昔話に耳を傾け、
しっかりと、掴んできたいと思います。

引き続き、取材のスポンサー、大募集しております。
長崎の文化をしっかりと、伝えていくためにも、
応援、よろしくお願いいたします。

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