2018年8月3日

かんころの島紀行10 Goto Article 10


7月29日付の毎日新聞の記事です。
猛暑の中、ナノカを連れて、掲載紙を引き取りに行くことができず、
アップデートが遅くなって、すみません。

今回は、島の農業について、触れました。
と言っても、上五島は、傾斜面でできていて、
大規模な農業はできないため、専業の農家は存在しません。
島の畑は、基本的には、自分たちのため。その残りが、
おすそ分けになったり、直売所に並ぶものになったりします。

島の生活を支えてきた、
家の隣の畑を耕す、暮らし方。
それが、島の景観にもつながり、人同士のつながりにもなり、
また、島の人の食料も安定させてきました。

今、その暮らし方は、消えつつあります。
大型のスーパーが進出してきて、お金を出せば買えるようになる。
高齢化。人手不足。イノシシ問題。

こうした生産性が高いとは言えないビジネスは、
お金で換算すると、一見、不合理な経済活動。
机の上で議論すると、
「投資をしても、元が取れない」
と、なりがちです。

実際、国は、あるいは、日本のみなさんは、
こうした地方を、どうしたいのかな、と思うことがあります。
自己責任、競争力のある商品作り、などという言葉は、
とても、正しいように思えますが、そうやって、
ムダを削っていくと、残るのは、芯の部分だけ。

この連載を、最初に採用してくれた、毎日新聞の峰下元佐世保支局長の
信条は、「第一次産業でも、生活できるような、世の中にしたい」
でした。

私も、額に汗をして、実際に、ものを生産する人たちの地位が、
日本では、あまりに低いと感じます。
だれもが、その恩恵に預かり、その人たちの働きがなければ、
1日たりとも、食べていけないにも関わらず。

私は、長崎の、傾斜面の農地を訪れるたびに、
「人間って、すごいなあ。」
と思います。
でも、段々畑は、平野の大規模農地には太刀打ちできないし、
外国産の安さにも、かないません。
だから、手を打たず、競争させれば、きっと、消えていくのだろうな、と。

「なにがなんでも、絶対、守ってくれ」
という話ではありません。
ただ、みなさんは、どう、思われるのかな?と。
この国の未来を。地方の段々畑を。

そんな思いで、今回は、畑のお話を書きました。

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