2020年5月31日

クーヨン7月号「子どもの居場所をつくるひと49」Cooyon July "person to make the place for the kids 49"




クーヨンの7月号に、リトルアーティストが載りました。

ナノカが3歳の時に始めたので、 5年半、経ったことになります。

最初は、どうせ、ナノカにいろいろやらせるし、一緒にできる仲間がいるといいな、と
軽い気持ちでしたが、年齢層の違うさまざまな子ども、大人が、創作する様子は、あまのじゃくなナノカにとっても、そして、私自身にとっても、大きな刺激になることに気づきました。

おおよそ月に1度 (場所を変えて、数回に拡がりつつありますが)、毎回、募集の形を取っているにも関わらず、子ども達は、リトルアーティストにやってきます。忙しい日々の中、それでも、楽しみにやってきてくれます。

「子どもの居場所をつくるひと」という特集でしたが、確かに、ここは、居場所なのかもなあ、と思い当たりました。

 現代の子どもは、忙しい。
そして、その慌ただしさの中にいるので、突然、無な時間がやってきても、何かを生み出すベースが持てていません。
空いたその時間で、効率良くできることを考えたら、なにも、作れないんだと思います。そもそも、無がない暮らしで、無の使い方に慣れていない。

 その中で、月に1度でも、自分の「作りたい!」「形にしたい!」「表現したい!」を発動して、2−3時間を過ごすことで、「時間があったら、あれ作りたい!」という、表現の虫みたいなものを、心の中に生息させることが、できるのかな、と思います。

 佐世保で始まった、小さな造形教室ですが、上京した折、美術に明るいベテラン編集者さんに、「同じテーマでできあがる子どもの作品が、千差万別で、そして、おもしろ過ぎる!」「職業柄、たくさんの造形教室を見てきたけど、どことも違う」と言ってもらったことがあります。それだけ、子ども、それぞれが持つ力は、無限大だということ。

「おしえ込まない造形教室」とは、記者さんがつけてくれたタイトルですが、逆に言うと、「すぐに結果が出ない」「絵が上手になるための教室ではない」という事です。そういう意味で、教室の意義を理解して、せっせと子どもを送り込んでくれる、お母さん、お父さん達に「ありがたいなあ」とも思います。

 うちの娘の作品も、日本の美術教育の枠の中では、決して「上手」な絵ではないでしょう。でも、私は、娘が小さな頃から持っている、空間の使い方、線の思い切りのよさ、明るい空気感などが、そのまま育ってることを、うれしく思っています。教室に来る子も、その子自身が持っている宝物を大切に、表現する喜びを知って、飛び立っていってほしいなあ、と願っています。

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