2017年11月10日

信じていれば、、、If you believe

いつもは、3時間以上かかるフェリーに、あえて、乗るのだが、
とにかく、時間いっぱい、島の人に会いたい、と
高速船に乗った。
行きは、それほどでもなかったけど、
帰りは、港を出た途端、体が浮き上がるほどの揺れに、襲われる。
気持ち悪くなったら、1時間40分、逃げ場がない。
横になって、目をつぶって、体を固くして、
ただただ、耐え続けた。

佐世保港に着いた時は、脂汗びっしょりだったが、
大荷物を抱えたまま、保育園に走って行く。
2日ぶりのナノカが、ピョーンと、飛びついてきた。
尾上さんの畑で、びっくりしたのは、フカフカの土。
そこから、大きな、汚れひとつないサツマイモが、
わんさか、出てくる。

「子どもはね、愛情たっぷりに、育ててあげないとね。
また、その子が、大きくなって、子どもに、愛情を注げなくて、かわいそう。」
急斜面の小さな小さな畑に、ありったけの手間と工夫を加えた土。
畑の土を見れば、子どもへの愛情を惜しみなく与えたことが、容易に想像できた。

畑には、集落の下の湾へ、よせる波の音だけが聞こえる。
上を見上げると、多石山という山がそびていている。
「ほら、ススキが見えるでしょ。秋らしくて、いい風景でしょ。
この間、姪っ子たちが来て、
そしたら、穂の所を集めて、敷き詰めて、
「おふとんだから、おばちゃん、寝て!」 て言うのよ。
子どもの感性って、ステキよね。
あれが、枯れたら、畑に混ぜ込むの。何にでも、いいわけじゃないのよ。
スイカに入れると、とっても、おいしくなったわ」

集落は、港からも車で40−50分ほど離れている。
子どもも数えるほどで、当然、塾もなければ、 早期教育とは、無縁だ。
でも、集落の子供達は、優秀で、感性が豊かな子が多いと、聞いた。

わかる気がした。

風を感じ、自然の中で、
愛情と信頼を与えられ、育っていく。

教会に響く、美しい、祈りの言葉。
勤勉で、誠実な、大人たち。

子どもを育てるって、
まず、その子が、自分で、育っていくのだと信じること、
きもちのよい場所を、整えてあげること、
そして、前に立って歩く人間として、
自分の行いを、まずは、正すこと。
そう、教わった気がした。

ピョーンと飛び出てきた娘を、しっかり抱きしめて、
そして、彼女を信じるなら、言うべきではない小言を飲み込み、
じっと眺めていた。
「ママ、なんで、ニコニコしてると?」
と聞かれた。
「ナノカが、かわいいから」
「ママも、かわいいよ」

島の人がやさしいのは、やさしさに囲まれて、育つから。
相手を、信じているから。
自分も、信じられる人になりたいと、思う。

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