2015年5月14日

「音楽を描く」抽象画にチャレンジ Art Class "Draw the music"

カートエリング ネイチャーボーイ Kurt Elling "Nature Boy"
バッハ 無伴奏チェロ組曲 Bach "Cello Suite"
フォーレ レクイエム Faure "requiem"
今週末のリトルアーティストは、抽象画に挑戦。
今まで、とりあえず、トーンや色など、絵画の基本となる要素を体験してもらいたい、と思い、「見て描く」、つまり、対象物がある「具象画」が中心になってきましたが、すこし、その基本を離れて、「自分の感性で描く」経験をしてもらえたら、と思います。

一番、子供に身近なものとして、「音楽」を描くことにしました。
今日は、描きやすい音楽を選ぼうと、自分で聴きながら、描いてみました。
子供と同じ条件で、学童用絵の具、クレパス、画用紙、を使っています。

そういえば、ボストン美術館付属校で、著名な抽象画家の授業を受けたことがあります。
彼は、「感性」で線を引くんだ、という考えで、いい大人の生徒が、目をつぶったり、音を聞いたりして、ただ、ひたすらノートに線を引き、それを、講評し合ったりする授業でした。できあがった作品は、どれも、それっぽく見えるのですが、でも、それ以上ではない気もする。なかなか、良し悪しも見えず、成果も見えず。
でも、なんだか、そこに、自分の心が開く瞬間があるのは、感じました。

抽象画の意義を、理解するのは難しいです。
一口に「抽象」と言っても、じつは、目的は千差万別で、ものを分解し尽くして生まれたキュビズムの発展したもの(もともとの対象物がある)から、本当に何も表現していないもの(構成主義とか絶対主義)、いろいろなので、一口に説明はつけられません。
ただ、写実的に描くなら、カメラには勝てないし、それが現代アートの目的ではないのは、確か。
それ以上、「自分を表現」するためには、 「感性」と「表現」をつなげる必要があります。
そこで、抽象的な要素が、ものをいうのかな、と。その案配は、作者次第。

今回、子供たちに知ってもらいたいのは、見知った「もの」を使わなくても、表現ができるのだよ、ということ。
だから、ただ、たのしく、色と線と形を、楽しんでもらえたら、それで、十分かなあ、と思います。
できあがりも、べつに、気にしなくていい。音に素直に反応できれば、できただけ、何か得られるのではないかな。

実際、自分で描いてみて、とても、開放的な気持ちになりました。これ、大人にこそ、オススメです。
大人の方も、ご一緒にいかがですか?

今日、ナノカが帰ってきたら、実験で、やらせてみようと思います。
はてさて、お嬢さん、何を描くやら。

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