2018年2月15日

島の子ども Kids of Kami-Goto Island

今年度いっぱいで廃校になる北魚目中学校 Junior high school that would be close this spring because of decrease of number of kids.
塩作り「あかねの塩」 They made sea salt
廃村を開拓しなおした山村留学の村 「えん」It was village where one family tried to built school for kids.
取材に行ってきました。

今回は、廃校になる中学校を中心に、島の子供達を取り巻く環境、
そして、将来について、考えていきたいと思って、取材に入りました。

島に通い始めた時から、「こども」は
すべてのキーワードになると感じてました。

島の子ども達は、高校を出ると、役場や農協などに一人か二人、就職する以外は、ほとんどが、島外に出て行きます。
ずーっと、そのようにしてきて、数十人の子どもが、毎年、
3月に、船に乗って、出て行き、島の人口が、激減してきました。
そして、もう、新しい人口を生み出す世代がいない集落も多く、
こうして、学校が統合されていくのです。

中学生たちに聞くと、本音は、「島が一番好き。残りたい」でしたが、
「でも、残れない。出て行かないといけない」と考えていました。

島が、若い人を抱えきれない。
これは、島の人の、自己責任だと思いますか?

島に仕事がないから、若い人は、出て行きます。
じゃあ、今まで、島に仕事がなかった時、人は、どう生きてきたか。

自分の畑を耕し、海で漁をし、
そして、あとは、それぞれ工夫をして、少しの現金収入があれば、
生きて行くだけなら、今でも、可能なのです。

ただ、子どもを育て、その子達を、外に出そうとした時、
現金収入が必要になってくる。その現金収入を作るのが、
島の中では、限られてきたのです。

今、首都圏に、どんどん、若い人が集まってきています。
能力を活かす場所を求めて、専門知識を求めて。
仕事を求めて、収入を求めて。
お金は、パワフルに人の流れを、支配します。

いろいろな違和感を感じながらも、大きな流れに乗らなければ、
幸せになれないと思い、中心に向かっていく、価値観。

でも、日本は、都心だけでは、回せません。
食べ物も、道具も、生産しているのは、地方です。

労働で得た、賃金で、商品を買うのは、
正当な行為ですが、作られる地方から、人が消え、
畑が荒地になったら、買う商品がなくなることを、
国全体で、考えて、支えていく必要があると思います。

島の人たちは、早くから、この問題に直面してきたから、
子ども達を、宝物のように、大切にしています。
彼らの人生、彼らの未来、
それを支えようとする、たくさんの大人に
今回の旅でも、出会いました。

島国、日本。
この島で起きていることは、たぶん、
すべての地方で起こるであろうことを、先取りしています。

そして、起きてしまったら、
影響が、しっかり、都会にも、出てくると思います。

たくさん稼いで、高い野菜を買えばいい、でしょうか。
(買えない人が、出てくるでしょうね)
輸入のお米を安く買えばいい、でしょうか。
(しかし、輸入先が大不作だったら?)
旅行しても、のどかな農村風景は消え、
荒れた家屋に森が迫る姿を見ることに、なるでしょう。

不安を煽るつもりではありません。
実際、島にあるのは、絶望ではありません。
人は減っても、まだ、希望と、工夫があるのです。

そのことが、伝わるよう、次回の記事を書きたいと思います。
そして、一緒に、考えてもらえるきっかけになったら、と思います。

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