2010年8月3日

words 2 ことば2

先日、プロダクトデザイン会社に勤める友人が、外国人のデザイナーの面接をした。英語も日本語もできないデザイナーは、翻訳ソフトで訳したプレゼン資料を提出したきり黙りこくって、全く意味がわからなくて、たいそう困ったそうだ。
On the other day, my friend who works for product design company told me about the guest designer from oversea. They did not speak either Japanese or English and they handed auto-translated documents and kept quiet. The documents were rarely understandable.

現在の翻訳ソフトは、ひとつひとつの単語を機械的に訳して、文法をシステム的に並びかえていくだけの能力しかない。だいたい、辞書を使っても一つの単語につき3個〜15個ぐらいの意味があり、その中から、適切なものを選んでいく作業が必要だ。さらに昨日のリンゴじゃないが、文化的な背景もあるとしたら、二つの言語の間には、自動的には絶対対応できない深い溝がある。そう思うと、それに対応してる人間の脳って、すごいと思う。翻訳ソフトは、今後、どれぐらいその溝を埋めて発達していくのだろう?
The present auto-translation software only has ability to automatically transfer one word into another and line them in grammatical system. Even in dictionary, each word has about 3-15 different meanings and we need to choose proper words for the contents. Even we find the right words for the content, there is still gap between two languages which has different cultural background. Thought of that, brain is unbelievable. I wonder how much can auto-translation software develop to take places of human being brain does.

私は、中学校で英語が始まった時、「なんて、つまらないんだろう」と思った。決まり(文法)と、機械的な対応(辞書で調べて、あてはめていく)で、文章を切れ切れに「ケンは、ルーシーと 盆踊りに 行った」みたいな文章を読んでも、なんの感動もなかった。自然と、あんまり成績も良くなかったし、なんかちょっとミスするだけで(文法も大事なんですけどね)ペケになるだけの、つまんない学科だった。いやいや、勉強してた。
I disliked English as subject when I started in junior high school. It is about grammar and finding the words in dictionary. The text is like, "Ken went to Bon dance with Lucy." It was radically boring to me. I marked bad scores just because of small careless mistakes.

英語のおもしろさを知ったのは、原文で文学作品を読むようになってからだ。「不思議の国のアリス」「赤毛のアン」などなど。高校生の私の実力では、一冊読むだけの根気と時間がなかったけれど、英語の文章というものが、日本語とは全く別の、美しい構造をしていて、音がきれいだと知った。流し読みしていても、意味がなんとか理解できたし、わくわくして、涙を流して感動する事だってできた。「英語」が生きた言葉として、私の中にはじめて、直接入ってきたのだ。
Later in high school, I started to read literature in original and found it interesting for the first time. I could not read whole book of novels but I could understand what they said and I could feel beauty of the structure and rhythm. I was sometimes so moved that I teared. English came into me as the live language.

「英語のいい勉強方法を教えて下さい」と聞かれることがある。上記のように、私は英語は得意ではなく、2カ国語授業で有名な某出身大学では、「わかったふりをする」事に終始した残念な学生時代を思うと、なにも言える立場ではないのだが、とりあえず「映画」を勧める事にしている。映画を字幕を消して(あるいは英語字幕で)見る。映画は少なくても、見ていて楽しい。「きちんと理解できた」のかイマイチはっきりしなくても、じーんとしたり、セリフが印象に残ったりする。感情や共感を伴うのは、生きた言語体験なので、言葉が身になじむ。
Some people asked me the way to study English. I was not so good at language as I said above and not good adviser at first place, but I answered, "movies." If you watch movies without Japanese subtitles, it is effective to learn live language. First you enjoy movies and also you are impressed even you are not sure you perfectly understand it. Real language gives you emotion, sympathy and so on.

私は、英語を話す時、若干テンションが変わる。はねたような、ピチピチした話し方になるのだ。一方、日本語は、かなり感情表現が押さえられた言語。日本美人が、たおやかに、「お帰りになるのですね」と、ためらいがちに言うのが、美しいとされる言語なのだ。そういう言葉の特徴が染み付いてるから、ハイテンションな挨拶は不自然。言葉って、同じ人間の人格すら違って見せるのだ。
英語を、一語一語、日本語におきかえて、理解しようとすると、常に、違和感と「欠落した部分」が出てきてしまう。原文を読むからには、生でそのまま味わえたら、リズムや、空気感を感じ取れて、とても新鮮だと思う。夏の夜長に、ぜひ、英文で「I am Dodo」を読みませんか?(え、宣伝?)
I changed the tone in English. I am a little more emotional when I talk in English. Japanese is the less emotional language and we think that hiding own emotion is more sophisticated and beautiful. I was brought up in this culture, so I know it is unnatural to talk in tense. Same person looks different personality in different language.
If you translate other language one word each into Japanese before understanding, you will always feel unnatural and missing. It is going to be different experience the original texts as they are. Why don't you try "I am Dodo" for summer night read? (commercial?)

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

確かに!!
イタリア語喋ってると人格変ってるかも。

そして、日本語に置き換えないで、言葉が理解できるようになったころから、会話らしくなったな~と重いました。
しってる単語の量が、圧倒的に少ないんだけど。

は~、日本語が恋しい…

にしむらかえ Kae Nishimura さんのコメント...

剛さん

そうなんですよね〜。直接、そのまま反応できるようになると(脊髄反射みたいに)、会話として自然になるんですよね。
こどもが言葉を覚えるように、単語の数は少ない所からはじまってますが、ムダ話や、ジョーク、相談なんかができるようになって、「ああ〜、受入れられてるなあ〜」て感じますよね。
それでも、日本語には変えられない。日本語でベラベラしゃべって、大笑いしたいなあ、て感じちゃいますよね。あと少しだ、がんばって!

yoshikoiwa さんのコメント...

はじめまして。渡米したいなと思っていた矢先、ほんとに偶然なのですがニューヨークで夢をかなえるを読みました。内容が飾り気なくリアルですごくすごくよかったです。もしかしたら年代も近いのかしれません。私は微妙な英語能力なので、語学学校に行きつつニューヨークでコンピューターアート関連の仕事探ししてみようかと思ってます。なんて言っていいかわかりませんが、ありがとうございます。

にしむらかえ Kae Nishimura さんのコメント...

yoshiさん、

はじめまして。ニューヨークで夢をかなえる、読んでくださったそうで、ありがとうございます。
渡米を考えていらっしゃるそうで!ニューヨーク、うらやましいなあ~。もちろん、英語力は必要ですが、今までコンピューターアートの長年お仕事をなさってきたご様子なので、実力と「伝えたい」という気持ちがあれば、きっと、受け入れてもらえるのではないかと思います。日本とは全く違う感覚に、きっと素敵な財産になると思います。大変かとは思いますが、がんばってきてくださいね。