She was working on making calligraphy board of short poem by Mis.Matsumura, the poet. |
Nanoka chose this poem of Mis.Matsumura. "Today, I wanted to go out taking sheep, with flute resounding in the sky" |
I did colorful one. "I envy a child, who finished the rainy day by taking off the boots" Nanoka did better job since short poem should have enough space. |
She kept books Mis.Matsumura gave her at special space of her shelf. |
そこへ、ある日、素敵なプレゼントが届いた。
ガツガツと在庫の本を食べつくしていくナノカのために、歌人の松村由利子さんが、手持ちの本を送って下さったのだ。
うれし過ぎて、小躍りするナノカ。
自分の部屋の大切な本を入れる棚に、それらを並べた。見ると、名前を描いた札が下がっている。松村文庫だ。
そのスペースを空けるために、ゾロリシリーズが、リビングに移動していった。
長い長いコロナ休暇。
ナノカは、ほとんどの時間を読書している。図書館への立ち入りが制限される中、
相方がナノカの読む本を選び、 私が料理や木工など、興味のありそうな本を選ぶ。
ナノカは、相方セレクトの本を片っぱしから読破して、満足しているが、
相方の選び方には癖があり(誰しもあるだろう)、偏りも出始めていた。
ゆえに、松村文庫の選書は、新鮮でおもしろかったようで、毎日興奮して、感想を教えてくれた。
お礼に、松村さんの短歌を、色紙にすることを思いついた。
ナノカが、松村さんの短歌の中から選んだ歌は、詩的で、大人っぽく、
「へえ!」と思った。
ナノカの色紙は、とてもシンプルに、それでいて、軽やかに、書かれた。
草原と風の中、草笛が聞こえてきそうな、空気感が出ていると思った。
(ついでに、私も横で書いたけど、字が大きく、カラフルにしすぎた)
ナノカは、色紙を書き終わると、松村さんへの手紙を添えた。
「絶対、読まないでね」と言われたので、そのまま出した。
自作の短歌が書いてあったらしい。
ナノカは、私を省いて、やり取りをできるまでに成長した。
世界に新しくやってきた、活字愛好家。
この混乱の世の中は、どこへ行くのか、誰にも見えず、ともすると大人は暗くなりがちだが、こうして希望に満ちた物語の世界を冒険できる人には、それほど変わらないものなのかもしれない。
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