2018年6月11日

たべもの教育 Food Education

夏休み中、かんころ文化研究会で講座をすることになるかもしれない。
対象が子供だとしたら、何をするべきか、ぼんやり考えていた。

かんころ餅は、保存食、である。
かんころ餅は、郷土食、である。
かんころ餅は、地産地消、である。
かんころ餅には、歴史がある。
などなど、いろんな、切り口がある。

以前、40代で結婚した知人男性が、
新妻が作った「アジの塩焼き」を見て、
「顔がついたままの、手抜き料理を出されて、信じられない」と憤慨していた。
よく聞いてみると、彼の母親は箱入り娘で、
魚を捌くという発想がなく、スーパーでパック売りしてある切り身以外が
食卓に出たことがなかったのだそうだ。
彼にとっては、魚の形をしたまま皿に乗っていることが、
粗野に見えたのだ。

魚の姿を見なくても、食事はできる。
されど、そうして、切り身になり、ペースト状になり、加工され、
原型がどんどん見えなくなっていくにつれ、生産地は遠ざかっていく。
それは、問題だなあ、と感じた。
何を、どう食べているかを意識しないと、
実感できない問題が、いろいろ、ある。

一つの食べ物が、食べ物になる前、
自然の中で実っていた時、生きていた時、
どんなであったか想像してみる。
その周りの環境、それを取り巻く社会状況は、今どうあるんだろう?
そこにまつわる、政治的な流れ、今後の展望、も関わってくる。
視野は、どんどん、大きく広がっていく。

食糧問題も、環境問題も、
商品開発も、地域活性化計画も、
一つだけ考えればいいのではなくて、
この大きな視点で、考えていくのが、これからの時代ではないだろうか。

せっかく、自由研究をする子もいるのなら、
「たべもの」から、突き進んでいくのも、
おもしろいんじゃないかな、と思う。
梅干しを干す
かんころ餅工場で、材料を食す
干し柿は、なぜ、お湯につけるのかな
豆腐ってこうなるのね
ヨモギ
グリーンピースはぎっしり入ってる
お米の苗は、ドロドロの中で育つ
こねて、まるめて、ゆでて、水にさらす。

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