対象が子供だとしたら、何をするべきか、ぼんやり考えていた。
かんころ餅は、保存食、である。
かんころ餅は、郷土食、である。
かんころ餅は、地産地消、である。
かんころ餅には、歴史がある。
などなど、いろんな、切り口がある。
以前、40代で結婚した知人男性が、
新妻が作った「アジの塩焼き」を見て、
「顔がついたままの、手抜き料理を出されて、信じられない」と憤慨していた。
よく聞いてみると、彼の母親は箱入り娘で、
魚を捌くという発想がなく、スーパーでパック売りしてある切り身以外が
食卓に出たことがなかったのだそうだ。
彼にとっては、魚の形をしたまま皿に乗っていることが、
粗野に見えたのだ。
魚の姿を見なくても、食事はできる。
されど、そうして、切り身になり、ペースト状になり、加工され、
原型がどんどん見えなくなっていくにつれ、生産地は遠ざかっていく。
それは、問題だなあ、と感じた。
何を、どう食べているかを意識しないと、
実感できない問題が、いろいろ、ある。
一つの食べ物が、食べ物になる前、
自然の中で実っていた時、生きていた時、
どんなであったか想像してみる。
その周りの環境、それを取り巻く社会状況は、今どうあるんだろう?
そこにまつわる、政治的な流れ、今後の展望、も関わってくる。
視野は、どんどん、大きく広がっていく。
食糧問題も、環境問題も、
商品開発も、地域活性化計画も、
一つだけ考えればいいのではなくて、
この大きな視点で、考えていくのが、これからの時代ではないだろうか。
せっかく、自由研究をする子もいるのなら、
「たべもの」から、突き進んでいくのも、
おもしろいんじゃないかな、と思う。
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こねて、まるめて、ゆでて、水にさらす。 |
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