2020年6月30日
カンコロの島紀行6月「海から見た長崎」Goto Article June
6月は、海の話を書きました。
かんころ餅の背景を追いかけるうちに、私はあることに気付きました。
今まで、本を読んで、「なるほどー」と思うことはあっても、
現地に出向いたり、生活してみないと実感しないことが、結構ある、ということです。
日本が島国で、海洋国家である、というのは、生まれてこのかた
何万回も聞いて、自分も口にして、なじんできた事実ではありますが、
今の発達した文明に守られていると、実感することは、難しいと思います。
ましてや、中部地区の海から遠く離れた陸地の新興住宅地で育ち、
東京の大学に行った私にとっては、長崎にやってくるまでは、
結局、文字知識としての「島国」だったのかな、と思います。
今、海に近づいて、島の人口減や衰退の歴史などを聞いたり、
漁業の現実を見たり、実際に船で離党を行き来したりすることは、
文字知識だけの自分の穴を埋める、「実感」を伴う体験だと感じます。
本当の意味で、「日本は島国」を感じている人は、どれぐらいいるのでしょう。
縄文時代や弥生時代などの遺跡に、遠い島からやってきた
痕跡を見たりすると、突然、自由自在に行き来した、力強い古代人が
大きく感じられたりもします。
様々な便利な機械、道具、システムの中で生きている私たちから見ると、
「不便だったろう」「世界が狭かったろう」
と想像したくなる、旧時代の生活ですが、
ダイナミックに移動していたことを知ると、
おおらかな、意外に自由な姿を思い浮かべることができて、
ロマンを感じてしまいます。
ぜひ、海側から、長崎県を見てみてほしいな、と思います。
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