2018年8月27日

かんころの島紀行 8月 Goto Article August


8月13日、お盆の真っただ中、私たちの家族は、上五島に向かった。

佐世保からでも、片道2時間半の船旅は、それなりに、負担感がある。
船は天候によって、たびたび欠航するし、出発しても、揺れることも多い。
ましてや、大阪、名古屋、東京などの遠方からとなると、
移動は、1日仕事である。

それでも、人は、帰って来る。
島の人口は、この時期だけ、膨れ上がる。

その様子を、肌で感じたいと思って、無理やり上陸。
そして、帰省して集まっているところに、
混ぜてもらうことにしたのだ。

そこで触れた「海」「教会」は、
私の知ってるどの海水浴場とも、建築物とも、違った。
美しいリゾートや、海外の有名な教会には、行ったことのある人は、
多くいるだろうと思う。
でも、この、誰かの思い出であり、誰かの心の支えである場所を
体験することは、簡単にできることではない。

わたし達家族は、ここで、かけがえのない人同士が
過ごす夏を、一緒に、過ごさせてもらったのだ。

やりたいこと、学びたいこと、があれば、若者はまず、外へ出て行くのが自然なこと。
そして、ひとたび、出て行った人が帰ってきて、
都会にあるような、仕事を見つけることも難しい。
だから、人は、地方から、どんどん、流出していくのだろう。

でも、だれが、故郷を守るのだろう?
帰る場所は、だれが、残すのだろう?
この日本に、なにが、残っていくんだろう?

「あなたが残したいものは、なんですか?」
そう、聞かれている気がした、夏でした。

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