2020年9月17日

鬼皮デビュー Peel the chestnuts skin

 

台風一過。裏山の栗が、いっせいに落ちた。まだ未熟なものもあるが、猿、猪が出はじめたし、傷んだ枝も切り払うので、早く拾うように、大家さんに言われる。ありがたく、拾わせてもらった。

さて、栗といえば、その下処理の面倒くささが、最大の難関だろう。栗ご飯に、渋皮煮、そして、モンブラン。いずれにしても、鬼皮を向かないことには、栗にありつけない。

毎年、私が一人で、コツコツと 剥いてきたが、そろそろ後継者が欲しい。ということで、ナノカの鬼皮むき訓練を始めることにした。最初は、一個か二個から始める。

栗の鬼皮を剥くのは、大人でも、ついつい包丁をすべらせて、指に傷をつけてしまうものだ。なので、微妙な手さばきの小学生は、もちろん、心もとない。そういう時に有効なのが軍手だ。対象物を持つ方の手にだけ軍手をはめて、作業をしていく。

実際には、剥いたのは、1個。あとは、私が剥いたのやつの、渋皮剥きの方をやっていた。

やらせてみると、やっぱり子どもは不器用だし、危なっかしいし、食材はボロボロになる。一歩目の踏み出しは、いつも、若干のロスと、それなりのリスクと背中合わせだ。

子どもに、何かをさせる時、シュミレーションして、リスクを洗い出す。そして、「まあ、それぐらいなら、起こってもいいかな」という所まで落とし込めたら、Goサインを出す。指先を包丁で切ってもいいけど、電ノコで指を切り落としては、いけない。

これが、よその子どもさんを預かって、 やってみましょう、となると、事情は変わってくる。指先を切るだけでも、起こしたくないし、また、性格やそれまでの経験値もマチマチなので、包丁を、ふざけて振り回して他人を傷つけちゃう子もいるかもしれない。

そんな「ないはずだけど、あるかもしれない」リスクまで考え始めると、教育機関は、すべてのリスクある活動を排除する方向に行ってしまいがちだ。自分も、活動をまとめる側の立場になると、「やらせてあげたい」けど、「やめておきましょう」となることも多い。

個の能力差や、性格などを、公共の場所で差別することはできない。だから、「やっていいよ」となれば、希望者全員がやる事になるだろう。全員で挑戦できることとなると、幅が制限されていくのも、しかたない。

そういう意味で、「おうち活動」は、大切なのだと思う。

自分の子であれば、今どれぐらい能力があって、どれぐらいの緊張感でのぞめるかを見極めながら、電ノコデビューすらできる。どれぐらいの怪我までならオッケーなのかも、人任せではないので、親も覚悟が違うはずだ。

そんな事を考えながら、ナノカの心もとない包丁さばきを見ていたら、自分の方が、指先に包丁の刃を当ててしまった。子どもの挑戦時は、親側のリスクが上がることも、忘れてはいけない。

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