2019年12月28日

お家に帰って、仕上げ She completed after coming home

1日経ってから、仕上げ作業するナノカ
パステルカラーで描かれた、なんとも、ほのぼのした、掛け軸。
絵を描かせると、取り組み方に、個性が出る。

構想に、ものすごく時間がかかるけど、最後まで、やりとげる、
じっくり、努力型。

センスがよくて、勢いよく、突き進む、
大胆なタイプ。

失敗を恐れて、最初の一歩に時間がかかるが、
いざ、制作が波に乗ると、個性が引き立つタイプ。

同じように、屈託ない「こども」に見えても、
意外な内面を見せてくれるので、教えることは、楽しい。

そんな中、ナノカは、
スタートダッシュで、絵を描く、
「先行逃げ切り」タイプだ。

誰よりも早く、デザインを決めて、
どんどん、描いていく。
途中、鼻歌あり、独り言あり、プレゼンテーションあり。
迷いなし、恐れなし、だ。

一方、幕切れも、早い。
「え?」というような、ところで、
「できた!」と言って、終わりにする。

「もう少し、描き込んだら、どうなのかな」
という声は、耳に入らない。

この、粘着のない、さっぱりした制作姿勢に、
いつまでも、ねっとりと、時間をかけて、絵を描くタイプだった
私は、少々、戸惑う。

迷いなく、決断して、ラインを引けること。
インスピレーションで、自分の絵をデザインできること。
それも、 1つの制作姿勢だ。
私は、ナノカの制作に、口を挟まないようにしている。

「え、これで、終わり?」
の作品は、とりあえず、彼女の意思を尊重して、
その日は、そこで、終わりにする。
そして、後日、二人で、ゆっくり見直して、
必要なら、加筆してもらう。

時間が経って、冷静に見てみると、
ナノカも、モチベーションが復活して、描き足すこともあるし、
私が、
「確かに、ここが、絶妙な、引き際なのかもしれない」
と見直すこともある。

親御さんに、「集中力がもたない」と相談をされることがある。

大人の頭の中には、
「時間をかけた」「細かく、描き込まれた」「大作」がいい、
という思い込みがあるのだろう。

でも、アートは、足し算より、引き算の方が、難しい。
線を絞って、描き込まないで、完成させる。
よっぽど、慣れた手段で、空間を埋めてしまった方が、まとまりがよい。
シンプルな仕上がりにも、光るものが、ある。

それぞれの制作の形。視点。美的感覚。
それぞれの持つ光を、受け留めたいな、と思う。

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