2019年2月10日

カンコロの島紀行1月 Goto Islands article


カンコロの島紀行の記事1月号が出た。

2月4日の掲載だったが、バタバタしてるうちに、
ナノカがインフルエンザにかかり、アップするのに、時間がかかった。

今回は、初めて、小値賀島を舞台にした。

今まで、上五島にせっせと通っていたが、
県北の仕事関係で、小値賀、そして、黒島、納島、
今では地つなぎの、平戸、生月、など、島をたくさん訪れていくと、
分断されている分、土地の特性、それゆえの暮らし、特産品など、
肌で感じて、なかなか、興味深いものがある。

改めて、斜面地が多い長崎の土地(島でなくても、やはり斜面)で
人がどうやって、暮らしてきたのかを、考えさせられた。

だだっぴろい平野が広がる地域とは、どう考えても、生産性が違っただろう。
(昔は、米=石高=土地の力だったし)

そんな中で、捕鯨だったり、漁だったり、貿易だったりで、
米ではない収入を得て、この地は、生き延びてきたわけだ。

農業でいうなら、サツマイモ。
サツマイモのデンプンが国の施策で売れなくなった後は、
ミカンに転向した。

斜面地の段々畑で、できる農産物の取れ高は、
マーケットに乗せると、大規模農業ができる地域に勝てない。
勝てる見込みがないので、後継者が育つはずもなく、
ただただ、流出していくのみなのだ。

地方の人は、なんとか、この地を守れないかと
さまざまなチャレンジをしている。
生産性や、利便性、たくさんのハンデを抱えながら、戦っている。
決して、どーんと手をこまねいて、何もしてないわけじゃない。
ただ、人が流れ出ていくスピードに、歯止めになる程のことは、そうそう、ない。

小値賀には、若い人が戻ってきたり、入ってきたりしている。
出て行ってしまう人数には敵わないが、でも、「小値賀が好き」と皆が言う。
この島を残したい、とそれぞれ、がんばっている。

地方は消滅していくのだ、という話がある。
その話を、都会の人に、頭でっかちに話されて、ムカッとしたことがある。
一つ一つの土地を知らない人が、
生産性やらだけで、数字をたたいて、
「ここ、廃止」「ここ、継続」ていう風に、議論して欲しくない。

土地を、生み出す「マネー」の額だけで計らないでほしい。
マネー的には、どこかの大都市のベッドタウンにさえ、勝てないだろうが、
長崎が文化的に生み出してきた、さまざまなものを考えれば、
ただ、競争の中で、価値なし、としていいものだとは思えない。

もっと、知ってもらいたいなあ、と思うけれど、
記事を書くだけでは、なかなか、伝わっていかない。
もっと、聞いてもらえる形にするのが、私の仕事なのかな。

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