2月に、娘が学校内のトラブルで、体調を崩し、退学。その時、わたしは、2つのことに、生活の全てを絞った。
1、娘の体と心を、守ること。
2、4年間、追いかけ続けてきた、かんころもちの絵本を、無事、完成させること。
戦うことではなく、逃げることを選んだ。家の中に、これ以上の病人を増やさない。最小限のダメージに抑えて、仕事もやり遂げる。
そう決心したものの、納得できないこと、憤りや悲しみに引き込まれそうになることが、しばしば、あった。
そんな中、ずっと寄り添ってくれていた友人が、ヨシタケさんの絵本を手渡してくれた。
ヨシタケさんの本には、「わけわからん人からは、にげる!」という鉄則が書いてあった。
そっか、すくなくても、悪い状況から、思いっきりのスピードで逃げて、娘を守りきることはできたんだ。そう思ったら、つーっと涙が落ちた。
娘は、2月の中間発表会は降板してしまったが、今、舞台の本公演に向けて、せっせと土日に稽古に通っている。ゴールデンウィーク後、回復、著しい。
今週末は、台本をもらって、配役も発表された。彼女の役は、すべての源、佐世保を作った神様の役だ。子どもが、国づくりをするのね。いいなあ。
わたしは、絵本の原稿を全て提出して、その足で相方に代理店に連れて行かれて、スマホに切り替えた。そして、昨日は、ボサボサになっていた髪の毛を切った。現状を回すために、大きく動けなかった自分と、その間に重く引きずっていた長い髪の毛が、重なってるような気がした。切り落としたら、楽になった。
そういえば、数年前、わたし自身が、俳優講座に参加したことがある。その時の講師、ハイバイの岩井さんは、日常で出会う人間や事象を観察して、脚本、舞台を作り上げる人だった。岩井さんは、出会う人が癖があって、変な人であればあるほど、お!これは、ネタになるぞ、と観察しているように見えた。
昨日、そのことを思い出して、相方と「岩井さんを見習って、不条理は、どっかで、作品にしてやろうと思えば、楽に、受け止められるのかな」と話した。いつか、消化して、よくよく発酵させて、どぎついエグミが消えた頃、それは、笑い飛ばして、涙がつーっと流れるような、物語になるのだろうか。
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