長崎の教会文化は、世界でも例を見ない、特殊なもので、ここへ越してきた後、歴史の教科書でしか、知らなかった「隠れキリシタン」の文化が、今も息づいていることに、本当に、驚きました。クリスチャンでもない私が、教会を訪れることは、恐れ多いと思いつつ、信者さんへの敬意を持ちながら、ひとつひとつ、訪問させてもらっています。どの教会にも、迫害をのがれ、長い間信仰を守り続けた人たちが、自ら、石を切り出し、レンガを積み、貝殻を焼いて、漆喰を作り、寄付金を集めて作った、というような歴史があり、その素朴さに触れるたびに、人の信仰心の深さに、心打たれる思いがします。
そんな中、この浅子教会は、海を探して迷い込んだ時に、ふと出会った、小さな漁港にたたずむ、里の教会でした。この集落は、外海地方の信徒が、黒島に移住し、さらに、こちらに移ってきた、とのこと。私は、そのかわいらしい教会が、一目で好きになりました。あまり、外向けにも紹介されていない、この教会を、のぞかせてもらう勇気がなく、外から眺めては、今に至ります。
日曜日に、写真を撮りに行くと、結婚式が行われていました。これほどの小さな規模の集落で、年頃の信者さんが、結婚なさる、という事も、そんなにあることでもないでしょう。ホテルなどに併設のチャペルでの式も、一般的な昨今、教会での式自体は、物珍しいものではないかもしれませんが、小さな頃から、家族のように、通ってきた教会で挙げられる、ささやかな式なのだろう、と想像すると、私も相方も、涙ぐんでしまいました。
Asago Chapel |
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