虹色のイノシシ Raibow Boar |
10個目の掛け軸 The last one |
「楽しみ❤️て気持ち90%
ママがいなくて寂しい、て気持ちが10%」
と言って、出て行った。
一応、10%分、私に気を遣ってくれたようだ。
こっちは、羽を伸ばして、イエーイ!と行きたいところだが、
やっぱり、寂しい。
毎日、お腹いっぱいなぐらい、だったのに、
いつも、100%、いてくれないと、物足りない。
でも、こうして、成長して、離れていくことを、
少しずつ、親も、訓練していかないといけない。
私が見せてあげられる「このぐらい」の世界から、
「このぐらい」の世界
に、飛び立って行ってもらわないといけないのだから。
ナノカと、学校の図画工作の話になった。
色は2色までしか混ぜちゃいけないとか、
空は水色で塗りなさい、とか、決められていると言う。
とんでもない話だと思ったが、授業内容に口出すわけにもいかない。
そこで、「明日は、失敗してもいいから、
いろんな色、いっぱい、混ぜて、描いてごらん」 と話すと、
「ナノカ、虹色のイノシシを描く!」と張り切った。
当日、私は、10人の掛け軸を作る作業もあったので、
あまり、ナノカの制作を見れなかったが、
見ると、虹色のイノシシが出来上がっていた。
最後、制作用の棒が一人分、足らなくなったので、ナノカに我慢してもらった。
家に帰って、お風呂に入った後、
「ナノカの虹色のイノシシ、おもしろかった。
一人で、しっかり、新しい事にチャレンジして、えらいと思ったよ」
と話すと、ポロポロと涙をこぼし、さらに、大泣きした。我慢していたようだ。
ある場面では、母を、とても、必要としているのだと思った。
一方、外へ旅立った時、
彼女が必要としているのは、自分自身の勇気だけ。
身一つ心一つで、強く、立ち回っているのだ。
必要じゃない場面では、親は、そっと、身を引かなきゃいけない。
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