2020年10月5日

おだんご dumpling for the full moon

 

10月1日。中秋の名月。

ナノカが、「今日、おだんご、作るからね」と言って、登校していった。つまり、帰宅後、17時以降に、おだんご作りがなされる、ということだ。

少々、めんどうくさいな、と思ったが、白玉粉とボールを置いておいたら、自分で測って、練って、茹でて、すべて自己完結で作ってくれた。その間、私は、夕食の準備をしていた。世話がかからず、器用に、なんでもこなす。

だんごが出来上がって、食事が済んでから、お月見のために散歩した。

「あ、本当に、ウサギが餅つきしてる!」と、叫ぶナノカ。そうだ、と思って見るから、そう見える、いたって、素直な性格。

靴紐をゴムで結わえただけのものに、「イカくん」という名前をつけて、カバンにつけて、持ち歩く。パパに新しい靴紐をもらい、友達を作った。その名前に、「ルネ」と月の名前をつけた。イカくんもルネも、よく話をする。

親から見れば、その「よい」と思うような特質も、 同年齢には、さまざまな感情を巻き起こすこともある。

満月の黄色い光に照らされて、透き通るような、少女の心。嘘もなく、他人に寛容で、想像力に満ち満ちて、やさしい子。

きっと、いつか、それが、世界の光となって、周りを照らす日が来るだろう。わたしは、あなたを誇りに思う。

そう伝えると、少女は、うれしそうに、わたしの手を握った。

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