2020年7月22日

かざりざら、サンプル dish sample






かざりざらのサンプル作り。
材料をいろいろ使ってみたが、固めの皿の方が仕上がりが安定する。

この作業は、とても、楽しいようで、ナノカも、何度誘っても、喜んで作る。

皿のデザインをしている様子を見て、色の濃淡の使い分けなどが気になったので、色の性質の話をすることにした。
すこし理解が深まったか、3度目に作った時は、吟味して色を選んでいた。
講座の時も、この話をしようと思う。

参考として、モザイク、刺繍、陶器などの資料を集めた。
見るだけでも、楽しい。

2020年7月21日

知りたがりの論客の夏休み Curious girl's Vacation

学校から帰ると、すぐに飛び出して行き、川で遊ぶナノカ。

その前の日は、夜遅くまで、アカテガニの幼生放出を見に行っていた。
川に、海に、山に、、、週末や、学校帰りにも様々な発見があり、楽しい日々だ。

ナノカの夏休みが、もうすぐ始まる。

夏休みの期間は、9日間というサラリーマンの盆やすみ並の県から、すこし短縮をします、 という所まで、まちまちだ。

そのことに関して、最近「子どもの夏休みが短い」と、「詰め込み学習反対!」の議論が一緒になされていることに、違和感を感じる。すべてがごっちゃに議論されると、大切な論点がずれてしまって、反論しにくくなる。
そもそも、それとこれは100%が一緒の話ではないと思う。

夏休みが短くなったら、子どもの心が追い詰められる、 のだろうか?
学校が楽しい子にとっては、友達とともに活動することは、苦痛じゃないはず。 

3ヶ月の休校の間、「人と活動を共にして」「共に学ぶ」「いろんな体験をする」の機会が失われた。

学習の機会も失われたので、学ぶべき単元が3ヶ月分遅れてしまったことも、学校教育の現場では無視できない事実だろう。

もし、学校が、机に座って、話もせず、学習の遅れを取り戻すためのプリント学習や、授業がガチガチに詰まっていて、子ども達が疲労しているのなら、夏休みが短くなるのは問題だろう。

でも、通学期間を延ばす事で、たくさん体験学習や、学級活動を入れた、楽しい学校生活が続くのであれば、逆に「詰め込み学習」を回避できるのかもしれない。


「夏休み短縮→子ども達のストレス」という図式ありきで議論してしまうと、「夏休みを短くしてください=子どもの学習の遅れを取り戻すのに必死な親、教師」となりかねない。
でも、そもそも、子どもが何を望み、学校が何を提供していくのかによって、まったく論点が変わっていく。議論はそんなにシンプルではないはずだ。

最近、この「シンプルな結論で人を動かす」ことが気になる。

複雑な社会の、さまざまな情報を考慮していると、混乱するから、
「これは、こうです」
と考えてしまうシンプルさに、人は惹かれるのだろうか。

事実は、めんどうくさい。
知ることも、調べることも、ズブズブと深く、きつい道のりだ。
さらに、それを話し合おうとすれば、ぶつかり、悩み、結論が出ない。

でも、そういうものだと割り切って、私は淡々と、知りたい。考えたい。
それは、わが家で、知りたがりの論客を養育しているからもある。

どこかで、ちゃんと情報が集められ、分析され、可能性がテーブルに並べられ、論点が整理された状態で、冷静に議論されていると、信じたい。
プロフェッショナルな人々は、このめんどうくささを、がんばって貫いてほしい。

2020年7月20日

カフェアーティスト「ペン画・暑中お見舞い」

ゆいまーるでの、ペン画講座、今回は暑中お見舞いをデザインしました。
ポップなデザインを丸の中に収めました。アメリカの漫画みたいでもあるし、グラフィックっぽくもあり、いろんなデザイン(Tシャツやシールなど)に転用できそうです。トーンもうまく使い分けて、黒線一本なのに、とてもクリアで、カラフルに感じます。黄色、一色での着色も、かっこいいね!
こちらは、シロクマのペン画を、3種類着色してみました。どれも、ガマンして、着色を抑えることで、白熊と氷の雰囲気がしっかりと出ていて、シンプルでステキな暑中お見舞いになりました
こちらは、貝のペン画を、着色する形にしました。黒一色のペン画の時点で、すでに、とてもカッコよく、着色は、自由に塗っても、グラフィックっぽくなったり、キッチュになったりと、遊べると思います。もらったひとも、飾りたくなりますよね。
小3女の子。久々のペン画でしたが、とってもかわいいオリジナルキャラクターを6匹もクリーンなラインで描いて、さらに、横のお花は、しっかり2トーンを使い分けていて、とてもかわいらしい作品になりました。色は、こだわりのベッタリ2色でしたが、絶妙なかわいらしさで、ポストカードにしたら、かなり売れそうです。
こちらは、前回の終わりに、決めていたデザインを、そのまま、しっかり仕上げました。ちょっと、生き物のような立ち姿の朝顔くんと、太陽、トンボの組み合わせが、ひょうひょうとしたユーモアがあって、いい感じです。つけペンの扱いも、とても慣れてきて、トーンもきれいに使い分けられています。着色が楽しかったようで、何枚も仕上げていました。ぜひ、実際に送ってみてね。

2020年7月14日

「かんころ餅」の絵本、実現へ  Starting to write the picture book about Goto and Kankoromochi


2月あたりから、新型コロナウィルスの影響を受け始め、
取材には行けなくなり、いつも通りの仕事ができなくなった。

わが家だけの事ではない。時代とともに生きていかなくては、と平常心に保つ努力をする。
さりとて、行動できない、仕事ができない、先が見えない、は不安である。この先、いつまで、同じ生活を維持することが、できるのか。フリーランスの人間なら、常に、頭に引っかかっているだろう。

そんな中、朗報が。
一冊にまとめる事が決まっていた「かんころ餅」の絵本の出版日程が、早まることになったのだ。

具体的な日付が設定され、プロットを作り始める事になった。
地道に取材を重ねて、そろえた資料や記事も、ずいぶん溜まった。 出会った、たくさんの人の顔が浮かぶ。取材するために、多くの人が協力してくれた。

始めた当初は、保育園を休ませて一緒に取材に通ったナノカが、今や3年生になり、この本ができあがる頃には、ちょうど、たくさんのふしぎの、対象年齢となる。

ナノカは、物語なら、いくらでも読んでいられる、活字好きな娘に育った。
彼女は、食欲旺盛な蚕が、ムシャムシャと桑の葉を喰むように、活字を食べる。(ここ数日は、シェイクスピアを読んでいる。そして、語る。微妙な傾向だと思う、、、)
そんなナノカに対して、「こんな本も読んでもらいたい」と感じる本の一つが「たくさんのふしぎ」だ。しっかりとした取材や、さまざまな専門家の目で語られる、ノンフィクション。それでいて、ふんだんに写真やイラストが使われて、時に難解な話の理解を助ける。

やるからには、こうした舌の肥えた読者層のお眼鏡に叶う、ちゃんとした料理を出さねば。そう思い始めると、ハードルが高い。

取材費で、収入がぶっ飛ぶ生活をくり返し、たどり着いた、着地点。

そういえば、相方に、
「かえちゃんは、リアリストだから」
と言われたことがある。


でも、「こうあればいい」が、実現できるのなら、リアリスト万歳だ。

2020年7月13日

オンラインリトルアーティスト「印象派とカバン」

本日、印象派の点描の技法を紹介して、それから、カバンを制作しました。

印象派は、日本では(世界でも)、とても人気があります。
「色が明るくて、きれい 」というのが理由の一つかと思います。
それまで工房の中で、絵の具を作る職人を抱えて、共同作業で絵を描いていた画家が、持ち運べるようになった画材を持って、一人、屋外に出て、光の中で絵を描いたからです。

そんな話をすこしして、点描で絵を描いてみました。
点描で色を描く
ナノカの点描
それぞれ、点々で絵を描いた後、カバンに好きな絵を描いて、点描を意識しながら、着色してもらいました。

お母さんが描いた車の絵に、親子で自由に点々を描き入れました。自由な着色が、かっこいいです。
お城の壁を、点々で着色。よく見ると、白の点々も描かれていて、それが、全体の質感をおもしろくしています。モチーフ選びも、ステキです。
そして、裏側にお姫様。ステキな組み合わせです。
こちらも、女の子のお顔を囲む緑の点々が、明るい木漏れ日の中にいるみたいで、ステキです。
文字も名前も、点々で。
末の妹ちゃんも、お姉ちゃんの真似して参加。
元気!
私がサンプルで描いた絵を、ナノカが仕上げました。
裏はナノカ作、印象派の海に漂う、伊藤家。
できたよ!
クマさんと、花とか、太陽とか、チョウチョとかが、カラフルな色で、楽しく描かれています。光に溢れた、色の明るさが、黒ラインの楽しい絵を、盛り上げてくれています。
大好きな黒のラインで、楽しそうにぐるぐる、いっぱい線を引きました。この後、さらに、ペーパーナプキンを貼っても、おもしろいかもしれません。
いろんな色を混ぜて、自然なタッチで着色。混ぜたことで、ブルーの髪の毛も、紫の猫も、明るく、自然に見えます。これからも、色を塗る時に、使ってみるといいかも!
こちらは、サクランボを、いろんな色で、たくさん、描きました。グラフィックな感じで、とっても、かっこいいと思います。これと同じ感じで、Tシャツを作ったら、買いたいな。

2020年7月10日

どしゃぶり休校 コマ割りフルーツ 

先日、仕上げられなかったフルーツの絵に着手
9つに分けたパネルに、フルーツとフルーツのクラスの様子を配置しています。
人によって、集中力が持つ時間が違う。

リトルアーティストをやっていると、はっきりとわかる。
そして、ナノカは、わりと、「これを最後まで、仕上げたい」が、ないタイプだ。

私は、絶対に完成させないと気が済まないし、しつこく、何時間でもやるタイプなので、
ナノカが、途中でやる気を失うと、とっても残念な気分になる。
「仕上げたら、おもしろい作品になるのになあ、、、」と。

そんな時、数日後に、もう1度誘ってみる。
うまく行くと、情熱を取り戻して、仕上げることができる。

完成度という点では、本人が、納得できれば、完成。
そこまで持って行ってやると、
「わたし、やったよ!」と、達成感を得られる。

大雨とともにやってきた休校時間のおかげで、仕上げられ、
「できた!」
「今度は、リンゴとブドウがやりたいな〜」
という気持ちになれた。 よかったね。

ちなみに、私は、まだ、仕事が仕上げられておらず、
「できた!」
「次は、〜をがんばるぞ!」
という気持ちになれていない。

どしゃぶり七夕 切り紙の巻 Cut out paper for Star Night

七夕は、切り紙。We have made cut out paper for July 7th, the Start Night for 7 years.
図書館で借りてきた本の通り、折って、線を引き、その通りに切って、開きます。We hold origami paper, mark as the book guide, cut and open.
最初は、線を引くところ、細かい切り込みを手伝う。I helped at the beginning .
できあがったものを、紙に貼り、タペストリーのようにする。Pasted them on thick paper.
ヒマワリ、紫陽花など。メキシカンな雰囲気?私とナノカの合作。sunflower, hydrangea etc.
次の日も休校。ナノカ一人で、折り、線引き、切って、貼ってまで、やりました。Nanoka did everything from beginning to the end.
和紙で作ったものは、窓に直接貼ってみる。Pasted on the window.
長い休校の後、今度は大雨で、また休校。

七夕。裏山には山のような竹が生えていて、ご自由にお取りください状態。
笹の飾りたい放題であるはずだったが、前の川は溢れんばかりに暴れ川となり、土砂災害警戒情報が発令中。
外に出て、斜面を登るなんて、もちろん、ムリである。
自宅にて、おとなしく雨をながむるばかりだ。

仕事をため込んでいる母は、そうそうは相手にしていられない。
しかし、七夕に切り紙をすることを、5年ほどを続けてきている。
夜、折り紙、和紙などを出してきて、1時間ほど、手伝うことにした。

切り紙は、自由にやっても、十分楽しいが、美しい模様を切り出すためには、
切り紙作家さんが考えた通りにやってみると、驚きの多種多様な形が出てくる。
もう少し、自分にそういう脳みそがあったら、 折り方と、切り方から導かれる
法則性みたいなのにピンと来て、自分でも、思った形を切り出せそうだが、
残念ながら、何度切っても、同じようなものになってしまう。

線を引くのが難しいと感じたのか、当初、ナノカは「自由にやりたい」と
言っていたが、2、3個、本の通りに切り出してみると、
美しい形が切り出せる喜びにハマった。
次の日も、また、一人で黙々と、全作業をこなし、作品を作っていた。

切り紙を、最初にやったのは、2014年のようだ。
ナノカが適当に切ったものに、さらに、私が切り込みを入れるなどして、作る。
文字の書けないナノカと、切り紙の破片で短冊を作る
マンションに笹飾り
 折り紙をそのまま飾ると、一瞬、美しいのだが、湿気ですぐに丸まってしまう。
以後、色紙に貼り付けたり、コーティングをしたり、窓に貼ったり、立体に作り直したり、さまざまな工夫をしてきた。

今年、私はこれ以上、一緒に作業をする余裕がないが、ナノカは、黙々と、作業を続けている。
正確に線を写し、細かい切り出しをし、紙、ノリ、道具を準備して、色を配置していく。すべて、5年ほどの間に習得したことだ。成長って、すごい。

9歳になれば、ほとんど母は、手伝うことはない。
「へえ〜」「すごいじゃん」「かっこいいー」
と合いの手を入れれば、どんどん、できあがっていく。
最初の数年、ちょいと、手をかけてやっておいたことが、
ここに来て、活きてくる。

子育てで、小さい頃に余分な手をかけておくことは、
あとで、楽をするための投資みたいなもんかもしれない。
余力を、一緒に遊ぶこと、作業を手伝うことに費やしておくと、
あとで、思わぬボーナスとなって、返ってくる。
やれなかったら、それはそれで、落ち込むことはない。
勝手に育つ部分もあるし、よそで恩恵を受けてくることもある。

なにが言いたいかと言うと、
仕事中に、勝手に切り紙してくれて、ありがたかったなあ、というだけなんだけど。

2020年7月6日

リトルアーティスト「キュビズムフルーツ」Cubism Fruits

今日は、静物画の歴史を見てから、キュビズムの紹介をしました。
さあ、持ってきた、好きなフルーツを、いろんな方向から、見てみよう。
上から、横から、そして周りに見えてるものまで。
外の模様、切った中身。どれも、おもしろい!
そのまま、仕上げる子も。
さまざまな方向から観察した、一個のリンゴを、1枚に収める。
しっかり、観察したものを、相談しながら、作品にしていく。
スイカの模様を観察してるうちに、おもしろい顔が見えてきました。黒のクレパスで自由に描いたスイカジャングルの背景に、スイカのフォルムの緑の山がこんもり。
2枚目では、真ん中に、スイカの川がながれている、スイカジャングル。種の雨が降っています。ピカソのように、パッションで、スイカジャングルシリーズ、量産!
オレンジを、花瓶に入った花で表現しました。美しい断面が、花のようだと思ったんだね。堂々と真ん中に、一番興味のある断面を置き、丁寧に弾いた線の重なりが、とても心地よい。しっかり描き込んであるので、背景の白も生きています。
パッションフルーツ。よく見ると、外側は、ただの紫ではなく、濃淡の紫で細かい水玉が描かれています。細胞の顕微鏡写真のような、ちょっと、不思議な静物画。配置も、白の余白が効果的で、いいです。
大きな紙に、堂々と一個のリンゴがさまざまな方向から描かれています。清潔で、シンプルで、バランスもよく、気持ちが明るくなる作品です。
フルーツ大好きな女の子の、シャインマスカット。フルーツパーティーみたいな絵になりました。にぎやかなクレーの水彩画みたい。音楽が聞こえてきそうですね。マスカットが混み合って、くっついてる様子も、伝わってきます。
これは、とてもクレバーなスイカの絵です。
長い時間、スイカの模様や、中身を観察して、いろいろな発見、おもしろさを見つけた後に、上の絵にまで持って行きました。自分の視点でスケッチを繰り返し、シンプルな1枚に持っていく。かっこいいですね!
パイナップル。外の緑と、中の明るい黄色の対比。そして、外側の模様の面白さが、シンプルな色と、しっかりしたラインで描かれています。そして、とってもかわいい1枚になりました。このままカバンにしたい
こちはら、9枚に分けたコマに、いろいろな角度からスケッチを描いているうちに、周りのものが気になり始めて、描き込んでいったもの。コマからはみ出して、関わり合っている、それぞれのイメージが楽しい!
桃。左が外側。真ん中が、種のある断面図。1度、色を塗る時に作った、パレットいっぱいの紫。どれも、きれいだったけど、気に入らず、1からやり直し。次は、ほんのちょっとだけ緑の混じった黄色に塗るところから、色を重ねて行きました。自分の色のイメージを大切にして、描いた作品です。堂々とした構図もいいですね。
ビッグさんの作品。リンゴを、1枚の紙の上に、いろいろな方向から配置して、時に模様を散らしたり、自由に描きました。横から見た「普通のリンゴ」から逸脱して描くのは、とても、難しい。それを、楽しんでいるのが伝わってきます。
「リアルに描くことが、すごい」は、美術に対して、どうしてもある固定概念です。
技術的には、もちろん、すごいことの1つではあるのですが、そこへ、みんなで揃って、進んで行く必要は、ないわけです。

キュビズムが生まれた背景も、「そのまんま描くことって、そんな、いいことか?」と思い始めた画家が、「絵を描くこと」の本質を探し求めていった結果。
なので、キュビズムっぽい絵を描くこと、が今回のテーマではなく、観察することで、描く対象に対して、自分で方向性を見つけてもらえたら、と思いました。

細かく見始めると、対象物から、無限に見えるものが出てくる。
どこまで描いていいのか、なにを描いたらいいのか、悩む子もいました。
でも、その悩み自体が、「新しい」「自分の」絵を描くためのエネルギーです。

ただ横から見て、上手にフルーツを描こうとした時には描けなかったおいしそうな絵だったり、逆に、フルーツには見えないような、模様のおもしろさを幾何学的に捉えた絵だったりが、生まれました。

なにより、フルーツというテーマ。
部屋には、いい匂いと、 しあわせな色と形があふれました。