2016年6月4日

もくもく Meal project for all kids

以前、こんな記事を読んだことがある。

民生委員をしていた女性が、
シンナーをくり返しては、保護される少年に、理由を尋ねたところ、
「空腹が忘れられるから」
と答えたのだそうだ。
以後、お腹を空かせたり、親の目が届かない子供達のため、
食事を出すようになり、多くの少年の力となってきた。

その記事を読んで、
多くの少年事件の背後には、
あらゆる意味での空腹があるのだろうな、と思った。

悲劇的な少年事件が起きた時、人は、
「なぜ、大人は、気づいてやれなかったのだろう」と、悔やむ。
でも、 実際に、事件のまだ起きていない今、
身の回りの問題に、なにか、行動できているのだろうか?

自分は、何もできていないな、と思いながら、
漠然と、何かできたらいいのに、と考えていたある日、
Kさんから、「佐世保の子供達向けに、食堂をつくりたい」と相談を受けた。
Kさん自身が、乳飲み子を抱えたお母さんであるにも関わらず、
立ち上げようとしていた。

日本の格差は、広がる一方。
6人に1人の子供が、貧困家庭に当たるともいう。
病気や、離婚、失業など、ちょっとしたきっかけで、
その6分の1の穴に落ちることは、誰しにも、ありえる。

本来は、行政が支え、社会的にきちんと保証されるべきではあるが、
まずは、今、問題を抱える子供に、手が差しのべる必要がある。
食事はひとつのきっかけで、子供達にとって、
シェルターであり、信頼できる、相談できる大人のいる場所を
作りたい、というのが、Kさんの願いだ。

私は、この活動に、主に、
ロゴや、キャラクターなどのデザイン、名前の設定など、
得意分野で、お手伝いさせてもらうことにした。

「もくもく」は、炊きたてのご飯の湯気を表すと同時に、
いつか、毎週木曜日に食堂がある、と子供でもわかるサインにできれば、と。

マークは、シンプルに、おなべを。

そして、「ミルおばちゃん」は、おふくろさん、のような
あたたかなキャラクターを、ということで、くまのおばちゃんを。
「ミル」は英語の「食事」を意味すると同時に、
「見る」「見守る」の意味を含めることもできる。
 今日は、もくもくの「はじまりの会」があった。
佐世保中から、さまざまな、能力、思いを持った人たちが集まり、
これからの話をした。
これだけの力があれば、子供達が守れそうな、そんな希望が持てる会だった。

いつか、この取り組みが、 日本中に拡がっていくよう願いを込めて、
これからも、できることを、お手伝いしていきたいと思う。

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