以前、こんな記事を読んだことがある。
民生委員をしていた女性が、
シンナーをくり返しては、保護される少年に、理由を尋ねたところ、
「空腹が忘れられるから」
と答えたのだそうだ。
以後、お腹を空かせたり、親の目が届かない子供達のため、
食事を出すようになり、多くの少年の力となってきた。
その記事を読んで、
多くの少年事件の背後には、
あらゆる意味での空腹があるのだろうな、と思った。
悲劇的な少年事件が起きた時、人は、
「なぜ、大人は、気づいてやれなかったのだろう」と、悔やむ。
でも、 実際に、事件のまだ起きていない今、
身の回りの問題に、なにか、行動できているのだろうか?
自分は、何もできていないな、と思いながら、
漠然と、何かできたらいいのに、と考えていたある日、
Kさんから、「佐世保の子供達向けに、食堂をつくりたい」と相談を受けた。
Kさん自身が、乳飲み子を抱えたお母さんであるにも関わらず、
立ち上げようとしていた。
日本の格差は、広がる一方。
6人に1人の子供が、貧困家庭に当たるともいう。
病気や、離婚、失業など、ちょっとしたきっかけで、
その6分の1の穴に落ちることは、誰しにも、ありえる。
本来は、行政が支え、社会的にきちんと保証されるべきではあるが、
まずは、今、問題を抱える子供に、手が差しのべる必要がある。
食事はひとつのきっかけで、子供達にとって、
シェルターであり、信頼できる、相談できる大人のいる場所を
作りたい、というのが、Kさんの願いだ。
私は、この活動に、主に、
ロゴや、キャラクターなどのデザイン、名前の設定など、
得意分野で、お手伝いさせてもらうことにした。
「もくもく」は、炊きたてのご飯の湯気を表すと同時に、
いつか、毎週木曜日に食堂がある、と子供でもわかるサインにできれば、と。
マークは、シンプルに、おなべを。
そして、「ミルおばちゃん」は、おふくろさん、のような
あたたかなキャラクターを、ということで、くまのおばちゃんを。
「ミル」は英語の「食事」を意味すると同時に、
「見る」「見守る」の意味を含めることもできる。
今日は、もくもくの「はじまりの会」があった。
佐世保中から、さまざまな、能力、思いを持った人たちが集まり、
これからの話をした。
これだけの力があれば、子供達が守れそうな、そんな希望が持てる会だった。
いつか、この取り組みが、 日本中に拡がっていくよう願いを込めて、
これからも、できることを、お手伝いしていきたいと思う。
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