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斑島にて。カマスの干物。Drying the fish in Madara Island |
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漁師さんが、そのお父さんから引き継いだ編み方の背負い紐。ものすごい手間をかけている。Hand made belt-he said nobody could make this anymore. |
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漁師町の路地をゆく、おばちゃんOld lady walked in the alley. |
小値賀に行ってきた。
I visited Ojika Island.
取材費がない中で、島に行ったら、記事何本分かの取材をしなくては、との
ミッションもあり、気ぜわしい所もあるのだけど、
人に会い、現地の空気を吸うと、
やはり、行かなきゃ、書けないなあ、とも思う。
I got no money for travel, so I could only visit limited times to research.
This time, I met three people to write three articles.
Still I really felt it important to visit real place, meet real person and feel the air.
今回も、3本分の取材をしたが、
いずれも、現代のあり方を考えさせられた。
都会の人は、「田舎は、のんびりしている」
と思ってる人も多いかもしれないが、
島の人も、実は、いつも、忙しそうだ。
People said, "Country people are slow."
but actually islanders are always busy.
畑仕事や、家のメンテナンス、
近所の行事のお手伝いから、家族の世話など、
次から次へと、することが、待っていて、
どれも、なかなか、時間を取られるからだ。
They have much things to do:
farming, mentain the house, help the relatives,
prepare the festival.
ただ、忙しさの本質が、都会とは、違う。
"Busy in island" is different from "busy in the city"
今回、海外から、小値賀に来て、滞在している人たちと
話をする機会があったが、
オーストラリアから来ている女性が、
うまく、東京と島の違いを、表現していた。
The woman from Australia explain the difference
very well.
「東京の人も、親切で、困っていたら、いろいろ、手伝ってくれた。
でも、みんな、とにかく、先を急いでいた。
だから、おしゃべりや、ちょっとした会話を続けるのは、できなかった。
島の人は、立ち止まったら、おしゃべりする時間がある。
英語は通じなくても、それが、とても、楽しい」
People in Tokyo are kindly helping me
but I see them in a harry, so I had no chance to have a chat.
Islanders stopped and talked to me even they could not speak English.
やっぱり、島の人は、「時間」があるからじゃないの?
と思うかもしれない。
でも、どちらかというと、立ち止まって、おしゃべりをしても、
次の用事を後回しにしたり、作業を次の日に回したり、と
時間配分を、自分で決められる、「自由」がある、
というのが、真実かな、と思った。
You might think, "See? Islanders have more time than city people"
but I want to say, they have freedom to put their business
later or change the schedule by themselves.
都会は、時間で回っている。
この時間まで働き、この時間の電車に乗り、この締め切りまでに提出する。
終われば、休日が来て、自由時間がやってくるが、
とにかく、この時間に行かねば、ここまでに提出せねば、が決まっていて、
旅人と、しばしのおしゃべりをしたり、
友人のSOSに、すぐさま、飛んでいったり、
という、融通は、あまり、利かないのだろうな、と思った。
The city is operated by the time base:
Work from this time to that time, take this time train, and finish the work
until this due. When you finish the work, you would get "free time"
but when you are in the working time, you do not have freedom
to enjoy the chatting with travelers next to your seat.
時間とお金は、計算しやすく、社会を回していく上で、
便利な概念で、公平性も保ちやすい。
でも、一方で、とても、機械的で、無機質でもある。
割り切って、うまく、それに乗っている時は、
人は心地よく、動けて、なにも問題を感じないが、
一度、自分のリズムと合わなくなると、
そこに所属しているだけで、どんどん、調子が悪くなる。
それが、いろいろな、現代の病気の原因じゃないかと思う。
Time and money are very convenient concept
in order to make the society work, at the same time,
they are very mechanical and inorganic.
When you are in a good condition, you are comfortable
working in this systematic society, but once you have
some trouble fitting the system, you are getting worse and worse.
私は、たまに、次に、どんな社会がやってくるのか、
想像してみる。
よく、頭の良さそうな人たちが、「こんな仕事はなくなる」とか
「好きなことを、やればいい」と言ってるのも聞くけど、
合ってる部分もあるだろうけど、どうかなあ、と思う部分もある。
Sometime, I imagine what kind of the society coming next.
Some clever people said,
"This kind of works will disappear"
"You can only do whatever you like in the coming future"
but I felt some points might be true, but other points are question.
生産現場に近い、島やら、地方なんかを回ってると、
「でも、この作業は、ぜったい、誰か人間がしないといけないのでは?」
とか、
「地球環境に、悪いよね?そのやり方」
とか、
「そもそも、それを、人が望んでいるのか?」
とか、考えちゃうのだ。
I walked around islands or some rural area
close to producing farm, factories,
and feel, "still some work should be done by human being by hands"
"This automatizing is bad for the Earth"
"Is it really people wishing?"
今回、すべての道具を、自分たちの手で作っていた、
島の昔の暮らしを知る人と会ったが、
その人が、今、一番、したいことは、
「自分の親たちがやっていた、あの、手作りの道具を
もう一度、自分の手でも、作ってみたい」
だと聞いて、人間の本質を、見た気がした。
I met an old man who was the last immigrants from
abandon island and he told me that what he wanted to do now
was making tools that his parents used to handmade by themselves.
確かに、ものすごく美しい網目の縄を見て、
ただ、尊敬の念しか、生まれなかった。
The handmade tools are just beautiful and
I just felt respect to who made them.
学者さんや、ベンチャー起業家や、政治家やらが
これからの社会の話をする。
でも、あんまり尊敬できない人の未来予想図を聞いてると、
それを、正解だと信じたくない、自分がいる。
自分なりに未来を想像するのは、自由だ。
守りたいものを、守り通すのも、自由である。
時間の配分も、なにを糧にするかも、自由。
なにに価値を感じるかも、自由だ。
一人で、島の風に吹かれたら、
そのことを、思い出させられた。
当たり前のことなのだけど。
Visiting Ojika, stand in the wind of island,
reminded me that I have freedom to imagine the future
from my point of view, not some scholar or venture president said.
I also have freedom to keep what I want to keep,
to use time for what I feel important,
and to evaluate things in my own heart.