2019年1月31日

シマへ Memory of the Island

小値賀に、取材に行ってきました。
無人島となった野崎島。鹿の島となってます。People left Nozaki Island and only deers (and boars) lived now.
日宋貿易時代の焼き物の破片。lots of pieces of ceramics found. This piece was more than 1000 years ago.
野崎教会one of the World Herritage, Nozaki Cathedral.
舟森集落跡。急な坂を登って、当時の暮らしを感じる。Funamori Village ruins. Sharp slope.
島民19人の納島。Nou Island, famous for precious peanuts production.
幻の落花生。almost extinct peanuts. great quality.
活版印刷。Letter press print.
一人では、なかなか行けない場所へ行き、
会えない人に会い、歴史も、現在も、肌で感じることができた、旅でした。

今回の取材を通して、感じたものは、
「お金」というものが、社会を変えた「大きな、流れ」です。

それが、いい事だったとか、悪かったとか、どこかの部分だけ切り取って、
議論しても、答えは出ない。
ただ、
「生きる」「食べる」が、「お金」で語られるようになって、
より、地方と都市部の溝が拡がって、
人が、ものすごいスピードで流れ出して行ったのを、感じました。

今でも、都会の人が、たった1時間で稼ぐ「1000円」というお金を、
一つの畑で、1年中世話をして、工夫や経験を重ね、天気のリスクも背負って、
ようやく生み出す、農産物で稼ぐことは、どう考えても、同じ労力では済まない。

そうした、生産物を現金に換えて、子を、都会の教育機関に
送り込むことが、どれだけ、厳しいことか。
教育を、高価な値段で(都会の人と同じ値段で)買わなきゃいけないのに、
地方で作られるもの(食料などの、すべての人の命を支えるもの)は、安く売られる。
そういうのを、「格差」というのだな、と実感しました。

納島の落花生は、ただいま、4世帯が作っています。
赤土と砂地が入り混じった島に、潮風がふきすさび、
その中で、農薬も、水すら、与えず、ただ、ひたすら草抜きをして、
育てられる、まぼろしの落花生。
味は濃厚で、全国から、引き合いがあるものの、風前の灯。
そして、いくら欲しいと声をあげても、島に残り、畑を守る
次の世代はいません。

取材という旅だからかもしれませんが、
私は、旅で、多くのことを、知りました。
頭で知っていることと、肌で感じることは、違います。
人に会い、その人の人生を知れば、時に涙を誘い、
時に憤りを感じ、時に一緒に、笑顔になります。
そして、知識に、血が通うのです。

ぜひ、「シマへ」旅に来てもらいたい、と願います。
情報発信の中心に近くて、大きな経済活動がある所の価値観だけが、
世界ではないのです。
当たり前だけど。 

0 件のコメント: