「雨の降る日って、本が読みたくなるんだよね。」
と、ナノカが言う。
「でも、晴れた、ポカポカした日も、本が読みたくなるんだよね。縁側で、本を読むの、サイコー。」
とも言う。 そして、
「4字熟語で、そういうのあったよね?」
というので、それは、晴耕雨読って、晴れてるときは、働くんだよ、と答えると、
「ふーん、じゃあ、わたしは、晴読雨読かあ。」
と続ける。うまいこと言う。
「あ、でもね。 晴れてる時、わたしは、散歩にすこし行きたいな。それで、人間を観察したい。それが、楽しい。」
「あのね、今日、クラスメートが遊具をめぐって、言い争いになったんだけど、そうなってる間に、全然違う子が、遊具で遊んでたんだ。そういうのって、すごい、おもしろくない?」
それが、観察したいおもしろいこと?ちょいと、悪趣味ではないかい?
でも、ヒマがあり、本を読むことさえできたら、幸せだと言う人の話は、なかなかに、示唆があるなあ、と思った。
ともすれば、達成しなくてはいけない課題に追われ、その先にしか、幸せな人生がないと思わされる社会。実際、人生の節目には、乗り越えるべき壁が立ちはだかる。しかし、運・不運、実力やその他もろもろの要素が重なって、結果が得られないことだってある。
そういう時、生きていくだけの衣食住があれば、あとは、本と、読む時間があれば、幸せでいられる、という価値観があることも、覚えていたい。
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