10月は、お祭りについて書きました。
わたし自身は、新興住宅地のできあいの祭りで育ち、その祭りですら継承されず、わが故郷に祭りはなくなっていました。
先日、実家を処分しました。わたしに故郷はなくなりました。もし、わたしの町に祭りがあったのなら、祭りを見に帰ることもできただろうし、「ああ、今頃、祭りがやってるなあ」と思いを馳せることができたでしょう。家はなくなっても、故郷はあるように感じられた気がします。
でも、わたしはそうした、「思いを馳せる風景」もないように感じます。
祭りって、そういう存在なのかな、と取材を通して感じました。