7月1日の毎日新聞の記事です。
今回は、北魚目地区の中でも、大きな教会のある仲知地区を訪れました。
以前は、人口も多く、商店も2軒あり、保育園や小学校もあった地区です。
カトリック教徒の方のみのエリアで、 枢機卿もこちらの出身になります。
山添ヤス子さんとは、取材を始めた頃に出会いました。
お料理上手で、サバサバしていて、働き者で、
率直で、裏がない。
彼女とお話ししていると、世の中がスッキリ見えてきて、
余分なことが、整理されていく気分になります。
今、情報や不安を煽られて、
人は、それに、追われるように、生きています。
何をしても、まだ、足りないような気がする。
まだ、まだ、足りてなくて、まだ、まだ、頑張らなきゃいけない。
その不安感が、結局は、大人を追い詰め、
子を追い詰めていく。
教育のことにしろ、お金のことにしろ、希望のために動くのではなく、
不安のために動くのは、終わりがないように思います。
私も、今年、畑を始めました。
台所から出る生ゴミは、ボカシ肥料になり、
曲がりなりにも、少しだけ、循環するようになりました。
草ぼうぼうの、収穫量も、人に分けられるほどの量がない
小さな畑ですが、すこしだけ、自分の力で「生きる」ことを
感じられ、これもほんのすこしだけど、お金の鎖から、
解放された気分になりました。
「お金は大切」と、島の方も言ってました。
だから、お父さんは船に乗り、出稼ぎに行くのです。
そして、子ども達は、外へと出て行くのです。
ただ、「足る分」を知ってることで、不必要に不安がることはなくなる。
畑があることで、その「足る分」を、感じられる気がするのです。
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